僕はフランスに行ったことがありません。
フランスに行っていない僕、狩野は日本で修行を積みました。
フランスで修行を積むことがマストとされている時代がありました。
正しい知識と経験を身につけるためには昔から本場で学ぶのが一番の近道とされていました。 今でも普通なら海外で腕を磨いた方が良いと考えられています。
日本で究めてこそ得られる感性があります。
僕は日本修行で培ったセンスでしっかりと美味しい菓子を作ることができると思っています。
日本のお客様に寄り添った味や香りなど、独自の表現を交えたフランス菓子を作る、そこにこそ真価が現れると考えています。
現代の多くの日本人に合う自分なりのフランス菓子を。
今の時代、どの場所の店のものを食べるかではなく、どの作り手のものを食べるかに価値を見出す文化に変わってきていると言われています。
誰の作ったものを食べたかが着目されている世の中で、それを見た時に、フィットするのではないか。
爽やかな香りやさまざまな素材の持つ奥行きを持つ味の重なりや表現にこだわり続ける。
お菓子一つ一つの歴史背景に敬意を表して、そのお菓子をリスペクトしながらも自分なりの解釈も落とし入れて、自分自身が本当に美味しいと思うものを作りたい。
僕の創造する菓子をひとりひとりのお客様に美味しく召し上がっていただく。これほどに幸せなことは他にありません。